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三国志・水滸伝 劉備【M-ARTS(エムアーツ)】 会社概要  お問い合わせ

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三国志・水滸伝 劉備特集

三国志・水滸伝 劉備ができるまで

2006年11月

絵巻作家/正子公也氏と、小説家/森下翠氏がM-ARTSに来社。


2007年初頭

正子公也『百花三国志』(魁星出版)に登場する武将を、立体化する計画が発動。プロジェクトチームを結成し、造型がスタートする。

2007年1月19日

造型師による一次原型が完成。

詳細な作りこみをする前に、造型バランスを見てもらうために、正子氏との監修がスタート。開発から発売までに1年4ヶ月を要すことになる作品「劉備玄徳」の監修・開発秘話を全てお見せする。
初回監修の結果は散々で、いきなり根本的なダメ出しを受けてしまう。以下正子氏本人の感想をそのまま掲載する(正子氏の言葉は掲載に当り本人了承済み)。

正子氏「率直な感想を述べさせていただきますと、まず、第一印象が僕の三国志作品に登場する人物のイメージと幾分、違っていると思います。
その理由として、人物の基本的なデフォルメの方向性の違いにあると思います。まだまだ僕の絵の特徴(というかクセ)を掴みきれていない気がします(もっとも、最初からそれを求めるのは酷ですよね)劉備を例にとって申しますと、僕の劉備は8〜9頭身(史実では劉備の身長は180cmと言われています)ですが、フィギュアでは6頭身位に見えます。足も短いですね。
残念ながら、現状のままいくら細かいところを修正しても、基本のバランスが違うので僕の絵の雰囲気に近づけるにはちょっと無理があります。注意しなければいけないのは、人物を大きくするのではなく(そうすると相対的に馬が小さく見えてしまいます)、人物のバランスを変える(例えば、頭を小さくするとか、足や手を長くするとか、肩幅を広くするとか)ということです。
厳しい意見になってしまいましたが、この先のことを考えると、最初が肝心だと思いますので、ご理解ください。気になる点を指摘させていただいたので、悪いところばかり書いてしまいました。申し訳ありません。
馬の表現力はさすが!です。かなり実力のあるかただと思います。コツ(僕の絵のクセ)さえ掴んでしまえば、きっと素晴しいものになる のではないでしょうか。宜しくお伝えください。ご健闘をお祈りいたします。顔に関しては、今のところはっきりとは言えませんが、いい感じです」


・・・・・・。

果たして正子氏の絵を立体化して商品化することができるのだろうか? どう造型師に伝えて改善させていけばいいのか? 伝えたところで改善できるだろうか? 様々な思いが駆け巡る。




2007年1月31日

全体のバランスを大幅に変更


正子氏「いやー、ずいぶん良くなりましたね! びっくりしました」

一次原型から比べるとかなり良くなったが、頭身や細部でまだまだ修正が必要だ。

正子氏「原型師の方に、ひとつアドバイスがございます。人物を大きく見せるコツとして、人物の上半身(特に顔)を小さくすると良いと思います。そうすると、相対的に馬が大きくなり、逆効果に思えるかも知れませんが、写真や映画で広角レンズを使うのと同じ原理です。そうすることで、人物は頭が小さく、足が長く見えます。馬を小さくすると、馬が小馬かロバに見えてしまい、かえって人物が小さく見えてしまいます。僕は馬を描く時も、実際の馬よりも足は長めに筋肉を強調させて描いています」


的を射た的確なアドバイスを頂く。




2007年5月18日





細部まで彫刻を施し、原型が完成

正子氏の絵の特徴の一つに、その多彩な色彩を挙げることができると思う。いくら原型を仕上げても、型抜きして実際に彩色してみないことには、どのような作品になるのか分からない。











2007年8月2日



彩色サンプル完成

実物をこの眼で見たM-ARTS担当者の感想は、「結構いいじゃない。うん、いい仕上がりだ」 ところが・・・



正子氏「劉備は前回の打ち合わせで指摘させていただいた点が、生かされていないと思います。僕のイメージとはかなり違っています。特に横から見るとよくお分かりになると思うのですが、頭が大きく、へっぴり腰なので、ちょっとカッコ悪いです。
打ち合わせの時に、僕がもっと具体的に絵を描くなりして、しっかりお伝えすべきだったと、反省しております。これって、今からでも人物の造形(馬は良いです)の修正は可能でしょうか?無理を言ってすみません」



修正を加えるとなると、当然原型から作り直さなければならないレベルでのご指摘である。      



同日、間髪を入れずに具体的な資料が届く。



正子氏「もう間に合わないかも知れませんが、ご確認ください。急いで作ったので、ちょっと雑ですが、イメージは伝わると思います。足は開きすぎかも知れません。
なお、馬は人との位置関係を分かりやすくするためのものです。人物だけを参照してください」



そして、数日後正子氏から郵送で送られてきた詳細改善資料をみて驚いた。      



開発中の作品を少しでも良くするために、日月の双剣や胸当て、衣服上の龍紋様やマント等々実に細かく丁寧にご指示頂いたのである。劉備に至ってはほぼ描き下ろしに近い状態でのご提供である。
胸が熱くなるのを感じる。今ここで妥協してはいけない。もっと高みを目指して、より良い作品作りのために努力しよう。

プロジェクトチームは、一から原型を作り直す決断を下した。




2007年10月2日


問題点の改善

一番の問題点であった、へっぴり腰でカッコ悪い部分は改善されてきた。


正子氏「人物ですが、ポーズや細部の表現は良いのですが、バランス(頭身)は前の方が良かったように思います。劉備は、史実では手が長く、長身です。ぼくの絵でも、8〜9頭身になっています。今回の劉備は写真のせいかもしれませんが、6頭身位にしか見えないのですが…。手も足も短すぎるように思えます。
今回はとりあえず、お渡ししてあるプリントアウトや3D出力をご参考に、手と足(特に足)を長くしてみてはどうでしょうか。それでも迫力が出なければ、顔を小さくしてもらうしかないと思います。
いろいろとうるさく言って申し訳ございませんが、ここまでやってきたのだから、皆が満足出来るものにしたいと願っています」




2007年10月10日




原型完成

馬の鞍の位置を若干上に上げて、劉備本体をもう少し上に持っていくことを条件に、型抜きの許可が出る。

長い道のりだったが、いよいよゴールが見えてきた。彩色が楽しみだ。




2008年1月15日




彩色サンプル完成

一目見た瞬間、「作り直してよかった。」と素直に思えるクオリティの作品ができた。



200年1月17日

完成


正子氏「劉備は首から肩にかけての部分で、マフラーを白く、肩掛け?の薄いオレンジ色の部分を金色に。腰から下がっている前垂れも、同様に、下地に金色を使ってみてください。(こっちは部分的に金色が入っていれば良い感じになると思います)ズボンの色は、“黒”でお願いします」


正子氏の監修も今までの苦労が嘘のようにスムーズに進み、目下2008年4月30日の発売を目指して生産中だ。

正子氏の厳しい監修を全てクリアし、三国志ファンのみならず、全てのスタチュー好きに自信を持ってお薦めできる会心作である。是非その手に取って堪能頂きたい


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